藤枝の朝ラー文化を支える人気店「麺屋 花枇」。店主の花井さんが大切にするのは「優しさを感じる」ラーメンづくり。天然素材にこだわり、家族と共に営むアットホームな店は、早朝から多くの人で賑わいます。丸鶏昆布水つけ麺や季節限定の創作ラーメンの魅力、そして藤枝の朝ラー文化への想いを伺いました。
優しさを感じるラーメン『麺屋 花枇』のこだわり

──オススメメニューの丸鶏昆布水つけ麺について、こだわりを教えてください。
花井さんつけ麺に限らず、全てのラーメンは天然素材を使っていますので、安心して食べていただけるというのと、基本的に優しさを感じられるような味を目指しています。ちょっとまろやかな感じの…全てにおいてそういうラーメンでありたいというのがあるんです。
麺屋 花枇の店主花井さんが語る言葉には、ラーメンへの深いこだわりが感じられます。「優しさ」という言葉を何度も口にする花井さん。それは単なるキャッチフレーズではなく、素材選びから味の調整まで、すべての工程に反映されている麺屋 花枇のこだわりなのです。
──麺にもこだわっていると伺いました。どんなこだわりがありますか?
花井さん麺は国産の小麦を使っているというのもありますし、その国産の中でも4種類ぐらいブレンドして、食べ応えのある美味しい麺に仕上げています。
国産小麦の風味を活かしながら、複数の品種を絶妙にブレンドすることで、麺屋 花枇オリジナルの食感と味わいを実現。その麺は昆布水との相性も抜群で、口に入れた瞬間から優しい味わいが広がります。

──今回いただいた丸鶏昆布水つけ麺(塩)とっても美味しくてびっくりしました。
県内では比較的珍しい「昆布水」のつけ麺ですが、その食べ方の多様性が魅力だと花井さんは語ります。
花井さんそのままお塩だけで食べてもおいしいですし、ちょっとわさびをのせても美味しい。それを今度つけ汁に入れると、さらに昆布との相乗効果で美味しくなります。
一杯のラーメンでありながら、食べ方を変えることで異なる味わいを楽しめる「2度、3度美味しい」という表現が、まさに昆布水つけ麺の魅力を言い表しています。

──お塩だけでこんなにも美味しいのか!と驚きでした。
花井さんお塩とかもいいお塩の方が美味しいじゃないですか。あえて謳ってはいないですけど、安心して食べられるような素材を使いたいなと思っているんです。あんまり押し付けがましいと嫌じゃないですか。だからあんまり前面には出さないんですけど。
花井さんが使用する塩は、食べてもツンとせず、丸みのある味わいが特徴です。「優しさ」というコンセプトにマッチした塩選びも、麺屋 花枇のこだわりの一つです。
開店から1時間で完売してしまうほどの人気商品「季節限定ラーメン」
──Instagramなどで毎月季節の限定ラーメンを紹介されていますよね。
花井さん基本的には毎月1品だけ限定ラーメンを提供しています。今やっているものは朝の8時頃には売り切れてしまうこともあります。週末だともう8時前には終わっちゃったりっていう限定なので、ちょっと申し訳ないんです。でも1ヶ月丸々は提供するので、タイミングが合えば食べていただけます。
麺屋 花枇の限定ラーメンは、その希少性も魅力の一つ。朝7時の開店時にはすでに行列ができることも珍しくありません。
花井さん限定ラーメンは手間暇かけているんです。言わないけど、本当に影ではすごく努力してこだわって作っているんです。でも普通のレギュラーメニューもそれはそれでちゃんとやりたいから、両方を作りながらとなると、あんまり数をたくさん作ることができないんですよ。
──最近の限定ラーメンで人気のメニューはなんですか?
花井さん焼き秋刀魚ラーメンですね。これがすぐ終わっちゃうんですよ。なんかうちの店に限らず、結構いろんな店で秋刀魚をやっているから。静岡県の人がお魚好きなんです。
季節の食材を活かした創作ラーメンは、地元静岡県民の嗜好にもマッチしています。花井さんは「普段食べられないようなものをなるべく作れればいいかな」と語り、常に新しい味の可能性を追求し続けています。
10年の歴史と居心地の良さを追求した店内

──お店の歴史について教えてください。
花井さん前の店舗が丸6年ぐらいやって、移転してきて、今3年くらいです。合わせてちょうど10年くらいですね。知らない間にね。
10年という節目を迎えた麺屋 花枇。2014年に最初の店舗をオープンしてから、花井さんは一貫して「優しさを感じる」味を追求し続けてきました。 藤枝の朝ラー文化の中でも、独自の味と空間で支持を集め続けてきた麺屋 花枇。10年という時間は、地域に根差したラーメン店としての信頼と実績を物語っています。その背景には日々の研鑽と進化があったからこそ、多くの常連客に愛され続ける店となったのでしょう。
──店内がカフェのようにおしゃれで開放的ですね。
花井さんこれは一番の理由として、僕自身、働く方からしても、昔ながらの町中華みたいにしたくなかったんですよ。長くお店にいるから、朝から晩までいるので、なるべく気が落ち着くような空間にしたいというのがあります。もちろんお客さんにも清潔感があって入りやすいようなお店というコンセプトです。
麺屋 花枇の店内は、一般的なラーメン店のイメージとは一線を画します。カフェのような落ち着いた空間は、花井さん自身の「働きやすさ」とお客様へ居心地の良さを追求し生まれたものでした。
花井さん窓も開放的で、閉鎖的だと僕自身が多分おかしくなっちゃうんですよ(笑)。あんまりかしこまらないような空間づくりを心がけています。誰でも入りやすくて、女性も入りやすい、子供でも家族連れでも小さい子でも入れればいいかなという感じですね。
店内の設計には、花井さん自身の価値観が反映されています。「開放的」「かしこまらない」「入りやすい」というキーワードは、花井さんがラーメン店を通じて実現したい「優しさ」という理念につながっているのです。
藤枝の朝ラー文化と関わり方
──藤枝の朝ラー文化についてどう思いますか?
花井さん本当にラーメンを美味しく作りたいという人が集まれば、自然にもっと文化自体も盛り上がると思います。ラーメン店を真剣に考えている人たちが集まることで、藤枝の朝ラー文化はさらに発展していくんじゃないでしょうか。
藤枝の朝ラー文化を支え、これからも進化させていく—そんな花井さんの想いが伝わるインタビューとなりました。「優しさを感じる」というこだわりに貫かれたラーメンづくりは、地域の食文化を豊かにする取り組みとして輝いています。
天然素材へのこだわり、優しい味わいのスープ、国産小麦をブレンドした麺、そして開放的な店内空間。これらすべてが一体となって、麺屋 花枇ならではの魅力を生み出しています。毎月変わる限定メニューを求めて早朝から訪れるファン、家族連れやカップル、地元の常連客まで、様々な人々を引きつける理由がここにあります。
10年の歴史を刻み、藤枝の朝ラー文化の象徴的存在となった麺屋 花枇。花井さんの「優しさ」への探求は、これからも続いていくことでしょう。早朝から立ち上る湯気、行列を作る人々、そして心と体に染み渡る一杯の向こうに、花井さんの変わらぬ情熱と藤枝の食文化の未来が見えてきます。

| 店名 | 麺屋 花枇 |
|---|---|
| 住所 | 静岡県藤枝市岡出山3-4-8 |
| 営業時間 | 7:00〜10:00 、11:00〜13:45 早仕舞いあり |
| 定休日 | 月曜日・金曜日 |
| 看板メニュー | 丸鶏昆布つけ麺(塩・醤油) |
| 駐車場 | 有 |

