「担々麺専門店發巳 藤枝店」の渡邊店長に、静岡県では珍しい担々麺専門店の魅力と、藤枝に根付く朝ラー文化について伺いました。健康効果も期待できる薬膳的要素を持つ担々麺が、新たな観光資源として育ちつつある藤枝の朝ラー文化にどのような彩りを添えているのか、その魅力を探ります。

藤枝の「担々麺専門店 發巳」とは
──2018年オープン。担々麺専門という選択。
藤枝市に2018年12月にオープンした「担々麺専門店 發巳 藤枝店」は、今年で開業8年目を迎える担々麺専門店です。店内には常連客だけでなく、県内各地からわざわざ足を運ぶファンも多く、週末には行列ができることもあります。
藤枝にはすでに志太系の人気ラーメン店が複数ありましたが、渡邊店長はなぜ担々麺専門店を選んだのでしょうか。
渡邊さん長く店をやっていくには他の人がやってないことをやらなきゃっていうのは頭にありましたね。
決定的だったのが、栃木の担々麺店との出会いでした。
渡邊さん栃木にある親方の店に初めて食べに行ったんですが、それまで担々麺を食べる習慣がなかった私が、そこで初めてその美味しさに気づいたんです。
この経験が渡邊店長の人生を変え、担々麺専門店という道を選ばせました。現在「發巳」のレギュラーメニューは栃木本店の味を忠実に再現していますが、限定メニューには藤枝店独自の創意工夫が光っています。
こだわりの担々麺メニュー

──「發巳担々麺」と「麻辣(マーラー)担々麺」の違いと薬膳効果
「担々麺専門店 發巳」の人気メニューについて尋ねると、渡邊店長は店の看板メニューの二つのメニューについて教えてくれました。
渡邊さん1番人気は店の名前がついている發巳担々麺で、2番人気は麻辣担々麺ですね。
この二つの違いを聞いてみました。
ベース自体は似てるんですけど、中国山椒の花椒(ホワジャオ)が効いてるか効いてないかという違いがあるんです。
發巳担々麺をベースに、花椒の風味と刺激が加わったのが麻辣担々麺。特に朝のメニューとしておすすめだといいます。

渡邊さん特に寒くなってきた時期に体の芯から温まるには、普通の担々麺よりも花椒が入っている方がより体の芯から温めてくれます。あと、胃腸の調子を整える作用が花椒にはあるので、薬膳的な意味合いからも朝食におすすめかなと思っています。
健康意識の高いお客さんからも支持を集める麻辣担々麺。 花椒の効いたこのラーメンを食べると、自然と体が温まり、ほんのり汗ばむほど。そのため、各テーブルには小型扇風機が用意されています。美味しさと一緒に、心地よい汗も楽しめます。

他店にはない特色—元コーヒー専門家の視点
──コーヒー業界経験を活かした意外な組み合わせ。
「担々麺専門店 發巳」のもう一つの特色が、ラーメン店とは思えないこだわりのコーヒー提供です。実は渡邊店長、ラーメン店を開業する前はコーヒー業界で働いていました。
渡邊さんこの仕事に就く前はコーヒー関係の仕事をしていました。静岡県内の大手喫茶店で働いていました。その前は首都圏のドトールでずっと仕事をしていて。コーヒーが好きというのも根本にはあるので、それを少しでも活かしたいというか。コーヒーが強みのラーメン屋さんっていうのもなかなかないとは思うので、何か特別感を出したいなと思ってコーヒーもこだわっています。
一見、担々麺とコーヒーという組み合わせは意外に思えるかもしれませんが、花椒がたっぷり効いたラーメンを食べた後にコーヒーをいただくと、ピリピリした刺激が気持ちよく納まる感覚があります。この組み合わせについて渡邊店長は次のように答えてくれました。
渡邊さんわかる気がしますね。花椒の刺激的な風味とコーヒーの香ばしさって、意外と相性がいいんです。担々麺を食べた後に口の中に残るピリピリ感が、コーヒーの苦みと香りで優しく包まれるというか。お客様からも『コーヒーとの組み合わせが良い』って言っていただくことが多いんです。コーヒーの専門知識を活かせて嬉しいですね。ラーメン店でこだわりのコーヒーが飲めるというのも、うちならではの魅力かなと思っています。
花椒の刺激的な後味とコーヒーの香ばしい風味が互いを引き立て合う、新しい食体験の提案は担々麺専門ならではの発見といえるでしょう。
季節を楽しむ限定メニュー
──藤枝店独自のラーメンとデザート
「担々麵専門店 發巳 藤枝店」では、栃木の本店とは別に、独自の限定メニューも提供しています。
今冬は黒胡麻担々麺・カレー汁なし担々麺を限定で提供しています。このメニューについては藤枝店独自のメニューになります。

限定メニューは「限定メニューを食べに来たよ」というお客さんも多く、藤枝店ならではの創意工夫が店の魅力を高めています。さらにラーメンだけでなく、デザートも季節によって変わる楽しみがあります。
気まぐれ的に、夏は今年初めてコーヒーゼリーをやってみたんですけど、この秋冬はかぼちゃプリンをお出ししています。黒胡麻担々麺が多分年明けぐらいで終わっちゃうので、それが終わったら今度は黒胡麻プリンっていうのを新たにやりたいと思っています。
常連客に新鮮な驚きを提供し続けていることが「担々麺専門店 發巳」の魅力の一つです。ラーメンはもちろん、デザートまで季節ごとに変化を楽しめるため、何度訪れても新しい発見があります。
藤枝の朝ラー文化の未来展望
──観光資源として、サッカーに続く藤枝の新たな魅力に
藤枝の「朝ラー」文化は、地域を代表する食文化としてここ数年注目を集めています。渡邊店長は、この文化がさらに発展していく可能性について、お話してくれました。
だんだん朝ラーがテレビでも取り上げられることが増えてきたなという印象があります。もう少し観光資源として、それを楽しみに藤枝へ旅行しようというような方が、今後増えていくと、藤枝が活気づくのかなというのは楽しみにしている部分です。
藤枝は長年、「サッカーの街」というイメージが定着しています。しかし近年は「朝ラー」という藤枝独自の文化的にアイデンティティが再認識されつつあります。朝ラーメンの元祖志太系以外にも様々なタイプのラーメン店が朝営業を始め、中でも「發巳」のような担々麺専門店が参入することで、その多様性が広がっています。
「藤枝といえばサッカー、そして朝ラー」と言われるようになれば、街の魅力はさらに増していきますね。
渡邊さんありがとうございます。実は地元の方だけでなく、朝ラー目当てに県外から来られる方も徐々に増えているんです。朝から開店すると、『朝ラー巡りをしている』というお客様もいらっしゃって。そういうお客様が増えると、私たち店舗側もさらに頑張らなきゃという気持ちになります。藤枝の新しい文化として、もっと根付いていけば嬉しいですね。
朝から花椒の効いた担々麺で体を温め、活力をチャージする。そんな朝の過ごし方を提案する「担々麵専門店 發巳」は、朝ラー文化の多様性を広げる存在として、今後もますます重要な役割を担っていくことでしょう。地域に根差し、同時に観光客をも魅了する「朝ラー文化」の発展が、藤枝の新たな魅力を創造していくのです。

| 店名 | 担々麺専門店 發巳 |
|---|---|
| 住所 | 静岡県藤枝市田沼4-5-1 |
| 営業時間 | (水・金・土)9:00~15:00(L.O14:30)、 17:30~20:30(L.O20:00) (日・月)9:00~15:00(L.O14:30) |
| 定休日 | 火曜日・木曜日 |
| 看板メニュー | 麻辣(マーラー)担々麺 |
| 駐車場 | 有 |

