藤枝市で朝7時から元気に営業する「○力(まるりき)ラーメンショップ」。全国チェーン「ラーメンショップ」の看板を掲げ、白髪ねぎをたっぷり使った「ネギラーメン」の系譜を守りながらも、厚切り肉が自慢の「チャーシューラーメン」が人気を集めています。ラーメンショップの定番メニューと藤枝の朝ラー文化を融合させながら、お客様の好みを第一に考える柔軟なスタイルで愛される店の魅力に迫ります。
看板メニュー「チャーシューラーメン」と「ネギラーメン」の魅力

──イチオシメニューのこだわりを教えてください。
佐々木さんそうですね、ラーメンショップというと看板メニューがどうしてもネギラーメンになるんですけど、その看板メニューをしっかりアピールするとともに、中には『お肉がどうしても食べたい』『ラーメンショップでがっつり食べたい』というお客さんも多いんです。
食べた後もしっかり働けるように、パワーをつけてもらいたいなというところで、ニンニク醤油にしたりして味付けを変えて作らせていただいています。肉も食べたい、ネギも食べたいという方には、両方兼ね備えたメニューとしてネギラーメンを提供したら、これが今一番売れています。塩にしろ、味噌にしろ、醤油にしろ、これが一番出ているという印象がありますね。
チャーシューラーメンは、ガッツリとした満足感がありながらも、不思議と白いご飯も欲しくなる味わい。

店内の「当店のこだわり」に記載されている「チャーシューは注文を受けてから切っています」という一文。これについてオーナーは以下のように説明します。
佐々木さんこれを始めた理由は、最初あんまりお客さんがつかなかったんですよね。食材として、チャーシューは切ったばかりの断面が赤っぽくて美味しそうなんですが、切って冷蔵庫に入れておくとどんどん黒くなってくるんです。出す時に美味しそうに見えないというのもあって。
また、風味も全然違います。冷蔵庫に入れておくと、どうしても他の食材も入っているので、他の匂いが移ってしまうこともあるんです。であれば、注文が入ったら切った方が美味しく食べてもらえるだろうというところからスタートしました。
この「注文後に切る」というこだわりが、厚みがあり食べごたえのあるチャーシューの美味しさにつながっているのです。
「こだわりより顧客満足」の柔軟なスタイル
佐々木さんこだわりが強いお店って結構多いじゃないですか。そういうお店もいいんですけど、僕自身はやっぱりお客さんが好きなように食べられるようにしたいんです。お客さんの中には『もうちょっと麺柔らかい方が好きだな』という方も絶対いると思うんです。
『このラーメン好きなのに融通が利かないから行きたくない』というのは、もったいないなと思っています。であれば、少し自分のこだわりを捨ててというわけではないですが、少し曲げてでも、せっかく食べてくれるんだったら、ニーズに合わせた方がいいんじゃないかと思うんです。
この姿勢が、幅広い客層に支持される理由の一つになっているようです。麺の硬さや味の濃さ、油の量など、お客様の好みに合わせた調整を積極的に行っているのは、オーナーのこの「お客様ファースト」の想いがあるからこそです。
卓上の豆板醤とニンニクで楽しむ「究極の味変」

──豆板醬との相性の良さに感動しました!
卓上に置かれたニンニクと豆板醤が人気です。特に豆板醤の使用方法について佐々木さんはこう語ります。
佐々木さん正直、僕はネギラーメンの醤油も塩もデフォルトで豆板醤を入れたいぐらいです。ただ、辛いものが苦手な方もいるので、あえて入れていません。豆板醤は何十種類もある中から、うちのスープに合うものを選んでいます。
辛みも程よくて香りも際立ち、しかも塩味で切れが良い。何も入れないとまろやかなスープですが、これを入れるとビシッと、キュッと締まる、切れのあるスープに切り替わります。中には豆板醤を惜しみなく使う常連客もいるそうで、スープを真っ赤にして楽しむ方も多いようです。
──ネギチャーシュメンにはライスは欠かせないですよね
佐々木さんラーメンショップのもう一つの名物が『ネギ丼』なんです。白髪ネギがそのままご飯の上に乗って、チャーシューがのっているものです。うちはどちらかというと、ライスと一緒というよりはネギ丼と一緒に食べる方が多いですね。
朝からガッツリいきたい方にはオススメの食べ方です!
朝7時からスタート!「朝ラー」限定の割引
○力(まるりき)ラーメンショップでは、朝7時から営業を開始し、朝ラーとして普通の醤油と塩のラーメンを通常より100円引きで提供しています。

佐々木さん朝ラーは750円で提供しています。正直この値段でやらないと、周りのラーメン店が結構安いお店が多いんです。他店では2杯で1000円だったり、大体1000円から1100円、1200円ぐらいですよね。
豚骨スープを使用しているため志太系の定番「冷たいラーメン」は出しづらいという制約がある中、「1杯あたりはちょっとお安くするから、朝は早く食べに来たらお得ですよ」というコンセプトで朝ラーを提供しています。
佐々木さん週末は年配の方というよりはちょっと若めな方が多いですね。全体的には、20代〜50代ぐらいの方が多いかな。
若年層を中心に40代、50代までも朝からがっつりとしたラーメンを求めてお客様がいらっしゃるそうです。
静岡市出身の店主が知らなかった藤枝の朝ラー文化
──藤枝の朝ラー文化についてどう思いますか?
佐々木さんは静岡市出身で、実は藤枝の朝ラー文化を知ったのは比較的最近のことだといいます。
佐々木さん静岡市生まれ静岡市育ちなんですけど、知らなかったんですよ。『朝ラーがそんなに流行っているの?』って感じでした。『藤枝で朝ラーやってるよ』ぐらいしか知らなくて。調べたことはあったんですけど、最初は『これそばだよね、ラーメンじゃないよね』というのが正直な印象でした。
しかし、この店舗を引き継いだことで藤枝の朝ラー文化の深さを知ることになったといいます。
藤枝の朝ラー文化は、既に観光資源として機能し始めています。朝ラー目当ての観光客が増えていることを実感しているそうです。
佐々木さん駅からもアクセスしやすい距離ですし、すごい山の奥とかではないので、バス1本で来られます。全国の人が観光として、または観光の一環として来てもらえるよう協力できればと思っています。お店も増えて、この周辺の活性化につながるといいなと思います。
朝ラー文化を通じて地域の活性化に貢献したいという思いが伝わってきます。朝早くからラーメンを提供することで、新しい食文化と観光の流れを生み出し、藤枝をより魅力的な街にしていく——。
○力(まるりき)ラーメンショップは、そんな地域の食文化の発展を担う一店舗として、これからも朝7時の営業を続けていきます。

| 店名 | 〇力(まるりき)ラーメンショップ |
|---|---|
| 住所 | 静岡県藤枝市志太2丁目2-26-1 |
| 営業時間 | 7:00〜14:00 |
| 定休日 | 火曜日 ※火曜が祝日の場合別途代休あり |
| 看板メニュー | ネギチャーシューメン |
| 駐車場 | 有 |

